プラチナバンドの特徴
プラチナバンドは、主に通信機器で使用されている周波数帯です。周波数帯には5GHzから700MHzなどの幅広い種類がありますが、プラチナバンドは700MHz~900MHzの低い周波数帯を使用します。
電波は通常、何かにぶつかると跳ね返る性質を持ちますが、プラチナバンドは物質の影響を受けにくいのが特徴です。多少の障害物なら回り込み、建物の中にもすみずみまで電波が行き渡るため、通信機器をスムーズに使用するために欠かせません。
プラチナバンドの2つのメリット
プラチナバンドのメリットを2つ解説します。
- 電波を遠くまで届けられる
- アンテナ設備を小さくできる
順番に見ていきましょう。
電波を遠くまで届けられる
プラチナバンドには、電波を遠くに届けやすいメリットがあります。空気中の微かなチリやコンクリートを通り抜けやすいため、スマートフォンなどの長距離通信に最適な周波数帯です。通常の電波は高いビルなどに影響されやすく、屋内にも電波が伝わりにくい性質があります。プラチナバンドなら、百貨店やテーマパークなどの障害物が多い場所でも、電波を届けやすくなります。
アンテナ設備を小さくできる
プラチナバンドなら、電波を発信するためのアンテナ設備を小さくできます。電波が森林などに大きく影響を受ける山間部では、アンテナを大型化しなければなりません。しかし、周囲の環境に影響されにくいプラチナバンドは、アンテナを大きくする必要がなくなります。設備を小さくできれば、通信設備の建設コストを抑えられるでしょう。
プラチナバンドの2つのデメリット
プラチナバンドには2つのデメリットがあります。
- 携帯機器で大容量のデータ通信を使いにくい
- プラチナバンドを使用できる環境を広げにくい
一つずつチェックしていきましょう。
携帯で大容量のデータ通信を使いにくい
プラチナバンドでは、携帯機器で大容量のデータ通信を使いにくくなります。プラチナバンド自体はデータの伝送量は大きいですが、携帯電話に使える帯域自体は限られています。携帯会社がプラチナバンドを分け合っているため、データ通信量が増えるとパンクしてしまうのです。
プラチナバンドを使用できる環境が少ない
プラチナバンドを使用できる環境は広げにくいのが現状です。5G基地局などにリソースが回っているため、プラチナバンドの設備建設が追いついてないとされています。人手不足の問題もあり、プラチナバンドの普及にはまだまだ時間がかかるでしょう。
出典:日本冷凍空調学会