プラチナバンドの5Gの違いについて解説
プラチナバンドと5Gには以下の3つの点において違いがあります。
- 使用する周波数帯
- 伝送情報量の多さ
- 電波の届く距離
順番にチェックしていきましょう。
使用する周波数帯
プラチナバンドと5Gは、使用している周波数帯が違います。プラチナバンドは700MHz~900MHzしか使用できませんが、5Gは700MHz~40GHzまでの広い帯域を使用可能です。5Gは幅広い帯域を使えるため、遅延が発生しにくくなっています。
伝送情報量の多さ
プラチナバンドと5Gで大きく違うのは、伝送できる情報量です。プラチナバンドのような低い周波数帯は5Gよりも伝送情報量が少なく、通信速度や同時接続数で5Gに勝てません。4Gでは1k㎡あたりの端末同時接続数が約10万台だったのに対し、5Gでは約100万台の端末を同時接続できるとされています。これがどう役立つかといえば、例えばウェアラブル端末を大勢の人々に使用してもらい、心身の状態を把握しやすくなります。医療機器や工場の製造ラインの設備など、5Gは生活の質の向上に欠かせない存在です。
電波の届く距離
電波の届く距離が、プラチナバンドと5Gの大きな違いの一つです。低い周波数帯のプラチナバンドは半径数km届きますが、高い周波数帯の5Gは半径数十m~数百mとしか届きません。プラチナバンドは広範囲のエリアカバーに向いており、5Gは狭い範囲で大量のデータを送受信する用途に向いています。
プラチナバンドの用途
プラチナバンドは現在、主に以下の用途で使用されています。
- 業務用無線
- 電子レンジ
- 地上デジタルテレビ
- 空港の監視レーダー
- スマートフォンなどの携帯機器
プラチナバンドのような低い周波数帯は、アンテナを小型化できるうえに長距離の送受信にも向いています。5Gの高速通信・端末同時接続・低遅延などの性能には及びませんが、山間部などの広範囲での送受信なら5Gに負けません。2024年6月27日には、楽天モバイルがプラチナバンドの商用サービスを開始しています。プラチナバンドは、日常生活のさまざまな質を向上させるでしょう。
5Gの用途
5Gは主に以下の用途で使用されています。
- スマートシティ
- ロボットの遠隔制御
- 自動車の衝突防止システム
- 電波望遠鏡による天文観測
- 人口が多い都市部の通信環境整備
5Gは遅延が発生しにくいため、工場や農業、医療などの現場でのロボット運用が期待されています。少子高齢化による人手不足を解決するために、欠かせない技術です。しかし、低い周波数帯に比べて遠距離通信を苦手としています。大容量データの遠距離通信を実現するために、通信設備の小型化やコストを抑えるための研究が進んでいます。